「MASUYAです...」いつもの愛想なさで電話にでると、受話器の向こうから「どうも、○○のOです」って声。ぼそぼそと話すその独特の口調は、初めての人にはなかなか聞き取りづらい。でもおれにとっては聞き慣れた声だ。
「お~ぅっ、どもども。。」おれの声のトーンが上がる。
「デイリーさ載ってだ...」
「あぁ〜 昨日のあれだべ。」
「まだあっかっす?」
「うん、あるよ。」
「どうもっす。」ほどなく彼がご来店。口元をほんのちょっとだけ緩ませたいつもの表情だ。
「おっ、ちょっと待ってでな。」おれは手をつけていた雑用をこなしながらと声をかける。
「いいっす、いいっす。見でっから。」彼はデイリーで見た気になる商品をチェックしたり、店の前に留めてあるバイクをみたりしながら待っていてくれる。平均すれば週一は会っている仲だから、そのへんの間合いはお互い心得たもの。
「わりわり、今コーヒーいれっから。」
カップを二つカウンターに置きながら「Oくん、コーヒーはいったよ。」とおれ。
「どうしてもDjangoのシャツが気になって...。」
「Oくん 好きそうだもこのシャツ。ほんとヤベーよ。」
「んだよねっす。これにこれを合わせたらかっこいいよねっす。いやぁ〜 やべ〜ねっす。」
こんな感じで、彼との会話はいつも熱く楽しく盛り上がる。
服のこと、バイクのこと、話題はつきない。後から「しゃべり疲れた...」と感じるほど。
こんな二人の決まり文句は「やべぇー!」。 「このジャケット、ヤベーよ。」「カッコいいっすね。ヤベーべっす。」「おもしろい道探しといてな。」「わがたっす、ヤベーどごねっす。」いつもこんな具合だ。ほんと楽しい。
「これ、お願いします。うちのには内緒で...。」
「着ったらすぐわがっぺず。」
「いやいや... そこはうまぐすっから。」
おいおい...。うまくすっから...と言っても...。いつも奥さんと一緒にデイリーをチェックしてるんじゃなかったっけ???
今度奥さんと一緒に店にきた時どうすんの???
でもどうやらおれのそんな心配は二人には無用のようだ。
彼と奥さんの名コンビぶりは、すごく居心地のいい雰囲気を作ってくれる。
そんな...お二人のことはまた今度書こうと思う。
店にて
1/21.2008 記